気が付いた時には、わたしは目覚めていた。
まぶたを開いて彼女の背中を見つめていたのだ。
わたしはいつの間にかに彼女の心の中から抜け出し、自己の現実に戻っていたようである。
意識は鮮明であるが、強い疲労感があった。
思考回路が混線しているのか、または機能していないような感覚である。
わたしが彼女の心の中で体験したものは、彼女が豊かな人生を生きるために必要な情報であるような気がする。
彼女がどのような不満や不安を抱えているのかは分からないし、それらの感情を所有しているのかどうかも分からない。
しかしながら、何の脈絡もなくあのような光景を見たり、あのような感情を抱くだろうか?
そう考えた時に、わたしは彼女に対してできる限り詳細に自分の体験とそこから読み取ったことを伝えるべきだと判断したのである。
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