瞼(まぶた)を閉じて心を静める。
すると、黒い煙のようなものが胸の中に入り込んで来るような感覚を得て気分が悪くなった。
原理は分からないが、内側に入り込んだ黒い煙のようなものは、ゲップによって光の粒に変えられた。
何等かの作用の結果、肉体レベルではゲップとして表現されるのかも知れない。
エンジンでいうところの、排気ガスのようなものであるのかも知れない。
わたしの意思に反して、止めどなくゲップが出ている。
黒い煙のようなものが光の粒となって、高い所で輝いている大きな光に向かって上昇する光景は、いつ見ても美しいと感じるものであった。
ゲップが治ると、水墨画のように滲(にじ)んでいた黒い影が輪郭(りんかく)を得ていた。
それは、黒い肌の大蛇であった。
それが、天井付近で身体を絡ませる様にして存在しているのである。
0 件のコメント:
コメントを投稿