一人の老人が死を迎えた。
彼は同級生の父親であり、わたしの友人でもあった。
癌(がん)であった。
彼は明るい性格によって、多くの人に愛された。
そんな彼を、わたしも愛していた。
闘病生活は、苦しいものであったかも知れないが、そんな素振りは見せない男であった。
しかしながら、日に日に痩せ細っていく様子は、彼の死を予感させた。
誰もが回復を願っていたが、それが難しいことは悟っていただろう。
人には、それぞれに分際が与えられ、それを否定することはできない。
因果は避けられないのである。
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