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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2017年12月14日木曜日

追憶 1894

お焼香の時に彼の遺影の笑顔が説得力のあるものに思えて嬉しくなった。
しかしながら、わたしが笑顔を作ることは、彼との別れを悲しんでいる人たちにとっては不快なものとして受け取られる可能性があると考えて、自重(じちょう)することにした。
席に戻ってからも彼の姿を探したが、どこにも見当たらなかった。
葬儀が終わると、親族が参列者を見送る。
わたしが最後に到着したので、最初に会場を出て行くことになる。
係員に促(うなが)されて、わたしは席を立った。
しかしながら、足取りは重たかった。
わたしは頭の中で、幼馴染に対して、彼のことを話そうか迷っていたのである。



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