彼等はきっと、友人の母と同じように、この会場で葬儀をされた人達だろう。
そもそもの原因は分からないが、この場所には、特定の故人の霊を引き込むシステムが出来上がっているのだと思えた。
もちろん、そこに引き込まれるのは、それに相応しい原因を所有している者だけであるだろう。
友人の母は、その原因を抱えているために、わたしの目の前で引き込まれようとしているに違いない。
和尚達の”演奏会”が終盤に差し掛かると、焼香の案内があった。
焼香を済ませて席に戻る時に、誰もが炎に焼かれる老女の前を通ることになる。
焼香は親族から始めるが、そこに友人の姿があった。
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