光の天秤 -自叙伝-
このブログについて
自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。
2017年9月10日日曜日
追憶 1799
わたしは”見よう見まね”の焼香を済ませて、黒い人影が群がり、既に頭を残して黒く染まっている老女の前に立った。
老女は相変わらず苦しそうな表情をしているが、やはり声は聞こえなかった。
わたしは、古いサイレント映画を思い出しながら、老女も黒い人影に成るのだと考えて切なくなっていた。
後ろに人の気配がするのは、わたしの次の順番の人が焼香を済ませたからである。
わたしは押し出されるようにして老女を離れ、自分の席に戻った。
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