捨てられたゴミを横目に見ながら、わたしは渓谷へ向かった。
それは、渓谷の清掃が優先だと感じたからである。
途中にあの記念碑があり、前回と同じように老人が座っていた。
老人は以前と何ら変わらない姿勢で座り、わたしの挨拶にも何ら変わらない対応をしてみせた。
わたしは彼の性格を納得して、それ以上を追求せずに先へ進んだ。
渓谷に辿り着くと、爽やかな風と渓流の美しい音色が出迎えてくれた。
その心地好さに導かれるようにして、わたしは瞼(まぶた)を閉じて深く呼吸をした。
それは、心が騒がしければ、霊的な存在には会えないからである。
わたしは白い象と会いたいと思っていたのである。
その時、わたしは左の崖の上から鋭い目線のようなものを感じた。
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