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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2015年10月1日木曜日

追憶 1116

光の十字架は黒い女の胸に突き刺さった。
仰(の)け反るように天を仰(あお)いだ女は、口であろう場所から呻(うめ)き声のような低音と、自身よりも更に黒い煙のようなものを吐き出している。
黒い煙が頭上に広がると、女は抜け殻のように沈黙した。
わたしは強烈な気分の悪さを感じ、嘔吐(おうと)しそうになるのを堪(こら)えた。
すると、わたしの肉体が黒い女がそうしたように、呻き声と黒い煙のようなものを吐き出し始めたのである。
肉体を通した時、呻き声は叫び声のようになり、黒い煙はゲップとなる。
肉体を通した時にそれ等は黒い状態を離れて、光の粒になるのだ。
それは軽く、天に輝く光へと吸い込まれるようにして昇っていくのであった。

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