光の天秤 -自叙伝-
このブログについて
自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。
2015年10月10日土曜日
追憶 1125
男の焦りは、体力の消費に力を貸していた。
ある程度走ると心臓が悲鳴を上げたので、膝(ひざ)に手をついて休む他無かった。
追手の息遣いまで聞こえそうである。
頭の中に弱音が聞こえてくる。
それは、諦めて楽になれと言うのである。
しかし、今の苦しみから逃れることはできても、後にはそれよりも大きな苦しみが待ち構えていることを男は知っているのだ。
そのために、目の前の苦しみから逃れる訳にはいかなかった。
心臓が許せば再び走り出そう。
男はそう決意した。
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