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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2015年10月13日火曜日

追憶 1128

一番は、彼女が危険に晒(さら)される可能性が高いことである。
仲間と見なされてしまえば、彼女も無事では済まないだろう。
男は直ぐに立ち去ることを告げた。
彼女は何も言わずに裏口へと向かい、静かに扉を開けてくれた。
小さな声で礼を言って、男は再び月夜を駆けた。
男は彼女への恩を決して忘れないと心に決めた。

瞼(まぶた)の裏を見詰めると、わたしは居た堪(たま)れない気持ちになった。
わたしは瞼を開くのが恥ずかしかったのである。

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