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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2014年3月26日水曜日

追憶 564

「ふふ…」

その時、わたしは笑い声を聞いた。
わたしを笑うのは誰だ。
人が苦しんでいるのにそれを笑うという態度に、わたしは更なる怒りを覚えた。
馬鹿にしている。
わたしは笑い声の主を探した。
すると、目の前の黒い靄のようなものから、再びあの笑い声が聞こえたのであった。
わたしは驚いた。
目を凝らして見ると、それは髪の毛だった。
髪の毛の間から黄ばんだ歯と、やけに赤い歯茎が覗いていた。
そして、通常の位置では考えられない位置に白目を無くした黒い目のようなものがあった。
わたしはなぜか穴が空いただけのようになった目に睨まれていると感じた。
髪の毛の塊は黄ばんだ歯をカチカチと鳴らせながら、大声で笑った。

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