わたしの目の前には破滅的な感情があった。
それはコールタールのように、黒くて粘着質のあるものである。
それを眺めていると、それだけで気分が悪くなるのを感じた。
遠くに見えるのは喜びや楽しみなどの建設的な感情であるが、わたしには遠くにあるものをどうすることもできなかった。
現状のわたしには自らの手の届く範囲のことしか動かせないのである。
わたしが対応しなければならないのは、遠くに見える建設的な感情ではなく、目の前に存在している破滅的な感情なのだ。
そこに降り立ったのだから、仕方のないことなのである。
わたしは目の前の破滅的な感情に対して意識を集中した。
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