自己の利益を追求する人にとっての命とは、所有物を集めるために必要不可欠なものである。
そのため、命を失う訳にはいかないのである。
そのように、自己の利益を追求する人は、死から離れてしまう。
死を得ることが、人生における最大の悲劇だと考えるのである。
人は必ず死を得る。
今までに死を得なかった者がいるだろうか?
そのような者はいなかったし、これからもいないだろう。
そのため、死を得ることは自然の理(ことわり)であるのだ。
死を得ることが自然の理であるのならば、死は悲劇などではない。
それは、夏には茂っていた野草や木の葉が、冬には枯れてしまうようなものである。
誰もそれを悲劇だとは考えないだろう。
それは、春には再び芽吹くことを知っているからである。
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