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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2018年1月26日金曜日

追憶 1937

出荷作業が終わったのは、電話を終えてから一時間程後のことであった。
わたしはその足で病院へと向かった。
それは、父親も救急車に同乗したために、迎えを頼まれていたからである。
駐車場に車を停めるのと、奇遇(きぐう)にも両親が病院から現れた。
母親は自分の足で歩いている。
遠目から見ると、普段と変わらないように思えた。
車を降りて二人の元へ向かうと、母親が恥ずかしそうに手を振った。
どうやら大丈夫であったようだ。
やはり、"天"の判断は正しかった。
わたしは心の中で、"天"に向けて感謝を述べた。
母親が無事であったことに対しても感謝はしたが、わたしに道を示してくれたことへの感謝を述べたのである。
母親の詳しい話は車の中で聞くことにして、わたしは二人を車へ促(うなが)した。

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