Hはわたしの従兄妹である。
わたしは三人兄弟の次男、Hは兄を持つ長女である。
わたしは五つ年下の彼女を妹のように、彼女はわたしを兄のように思って育った。
Hが高校を卒業し、親元を離れて専門学校へ通い始めて一年間が経った頃、わたしは吉報を得た。
それは、Hが懐妊したというものであった。
わたしはそれを喜んだが、Hの家族はそれを喜ばなかった。
なぜなら、専門学校に在学中のことであり、卒業までに後一年の期間を有していたからである。
祖父は他界しているが、Hの両親、祖母は怒りを現し、結婚に対して否定的であった。
恥ずかしい話ではあるが、堕胎の話しさえ出た程である。
彼等はそれ程までに動揺したのであろう。
普段は決してそのようなことを考える人達ではないからである。
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