部屋に通し、楽に座ってもらった。
	気さくに話し掛けると、彼女の抱えている緊張が少しだけ和らぐのが見て取れた。
	彼女はわたしのことを特別な人間だと誤解しているところがあるようだ。
	それは、世間には権威(けんい)に対する信仰が存在し、一般で言うところの霊能力者というものに対しても、一目置くような感覚がある。
	わたしのことを一般的には霊能力者と呼び、その立場や人物を特別視する傾向は根強く残っている。
	彼女はわたしのことを知らないので、そのような認識を当てはめているのであろう。
	わたしは残念ながら、所謂(いわゆる)霊能力者ではない。
	と思っている。
	わたしは”ファンタジー”に対して興味がないのである。
	どちらかと言えば現実主義であり、説明することができない事象に対して疑惑と嫌悪を抱く。
	そんなわたしは科学が大好きである。
	
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