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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2015年5月9日土曜日

追憶 971

わたしたちは互いに時が来たことを悟った。
わたしたちの間に言葉は必要ではなかった。
それは、不器用ながらにも愛によって結ばれていたからである。
男の澄んだ瞳に対して、わたしは小さく頷(うなず)いて見せた。
それを確認して、男の身体は宙を舞った。
引き寄せられるようにして天へと向かう。
光の中には何があるのだろう?といつも思う。
その先には天国と呼ばれる楽園があるのだろうか?
天へと向かう人の表情はいつも恍惚(こうこつ)としている。
この男も”良い場所”に向かうに違いない。
そう思うと嬉しかった。
男の姿が光に包まれて見えなくなると同時に天が閉じた。

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