美しい光の軌跡を残して飛んだ光の十字架は、硬い音を立てて黒い岩のような破滅的な思考に突き刺さった。
すると、わたしは気持ちが悪くなって黒い煙のようなものをゲップで吐き出した。
黒い煙のようなものを何度か吐き出して気分の悪さが解消されると、後頭部の穴の中に手を伸ばし、黒い岩のようなものを掴んだ。
そして、それを力任せに引き抜いた。
簡単ではなかったが、何とか取り出すことに成功した。
簡単にいかなかったのは、これがTさんの頭の中で長い間蓄積された価値観であったからだ。
しかも、わたしが取り出したのは表面に見えているものだけであり、氷山の一角である。
しかし、今はこれで精一杯なのだ。
わたしの力と、Tさんに対する必要が結果となるのである。
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