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自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2015年2月6日金曜日

追憶 881

天使ガブリエルは「時が来るまであなたと共に在りましょう」と言い残すと、掌に舞い落ちた雪のようにその姿を消した。
わたしにはガブリエルの残した言葉の意味が分からなかったが、その時が来るまではわたしのところにいるのだろうと大まかに納得した。

気が付くと、わたしはTさんの大きな背中を眺めていた。
わたしはいつの間にかに戻って来たようである。
爽やかな気分と共に、強烈な倦怠感(けんたいかん)を得るのはいつものことである。
わたしは消耗を隠し切ることはできなかった。
しかしながら、ここで音を上げることはできない。
わたしにはまだやらなければならない重要な仕事がある。
それは、Tさんの頭の中に存在している大きな黒い岩のようなものを処理することである。
わたしはこれのためにガブリエルを解放したと言っても過言ではないだろう。

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