このブログについて

自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2012年2月28日火曜日

追憶 7

パチンコ店の中を見渡してみる。
わたしはその空間に何も感じなかった。
わたしの心はその眺めに対して何の反応も示さなかったのである。
わたしは一つため息を吐いて店を後にした。
わたしの心の中には、

「 例え遠回りをしたとしても、自分がやりたいこと(仕事)をしよう!」

という決意があった。
結果としてその決意がわたしにやりたい仕事を運んでくることになる。
パチンコ店からの帰り道、わたしはコンビニで求人雑誌を買い、一番始めに目に付いたジーンズショップにすぐさま電話をしたのである。
わたしが面接を申し込んだのは都内に何店舗も展開するジーンズショップであった。
ジーンズショップというよりはアメカジのセレクトショップであった。
上野に本社がある株式会社である。
指定された日時に面接に行くと、わたしのことを専務が出迎えてくれた。
結果は、

「明日から来てくれ」

というものだった。
わたしは二つ返事で会社を後にした。
アルバイトは入れ替わりが激しく、採用もわりかし緩いのではあるだろうが、わたしは採用されたことがとても嬉しかった。
これでわたしは、やりたいことに一歩近付くことが出来たのである。
帰りの電車の中で、あの時パチンコ店で働くという選択をしなくて本当に良かったということを考えていた。
収入のためにパチンコ店で働くことを選択していたのであれば、きっとこの喜びや充足感を得ることは出来なかったであろう。
わたしの胸が高鳴るのは、少なからず自分の中で好きなことや、やりたいことに向かって進むことが出来たからではないだろうか?
アルバイトの採用など小さなことであるだろうが、当時のわたしにはとても嬉しいことだったのである。
それから、わたしのジーンズショップでのアルバイト生活が始まるのであった。

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