このブログについて

自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2012年2月25日土曜日

追憶 4

その後、Mくんはわたしと何事もなかったように接してはくれたが、わたしたちが中学生になり、クラスが離れるに連れて疎遠になってしまった。


中学は6クラスだったが一度も同じクラスになることはなく、またその間に話した記憶もない。

高校でも離れ離れになり、高校卒業と共に更に距離が離れた。


しかしながら、成人式や共通の友人の結婚式や、互いに帰省している時にたまたま会う機会があり皆で集まる時には別段変わった様子はなく、わたしにも優しく接してくれた。

考え過ぎなのかも知れないが、わたしの中にはあの時の申し訳ない気持ちと絶望感が今だに強い印象を残しているのであった。





中学時代も、高校時代もわたしの中には自分ではない自分の存在が常にあった。


自分では思っていないことを口走っていたり、思いも寄らないことを行動に移していた。

また、感情の起伏、破滅的な考えによる自信の喪失、無気力、諦め、逃げ…

このような面白くないことを選択してしまうという傾向もあった。

意味が分からなかった。


高校生になったわたしは、もはや自分は精神病なのではないかと軽く疑う程だった。

多重人格などを疑ったが、複数の人格を保有しているような感覚ではなかったし、そいつはとても自然にわたしの中に溶け込んでいるのである。

寧ろ、自分でない自分には「人格」というものを感じなかった。


強いて言うなら、それは「本能」である。

それはとても下品であり、野蛮であって秩序の欠片もないように思えた。

野生的というのだろうか?

欲望に根差した選択しかしない堕落した存在。

あの状態の自分を人格だと思うことは出来なかった。


わたしは自分のことが全く分からなかった。


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