このブログについて

自身の体験をつづりたいと思います。
拙い文章ではありますが、お暇ならお付き合いください。

2015年6月18日木曜日

追憶 1011

黒い口の中に飛び込むと、雨がわたしたちから離れていった。
スノーノイズは存在感を増し、まるで車内を支配しているようである。
見渡しても、わたしたち以外の車両を確認することはできなかった。
トンネル内を淡く映し出すオレンジ色の照明の連なりを無意識に眺めながら、わたしは真っ直ぐに運転していた。
一瞬、思考が輪郭を失い、オレンジ色の光が一つに繋がる。
それを振りほどくことで意識的に運転を続けた。
わたしとNをスノーノイズが繋げていたが、わたしたちにはそれ以外の接点は得られなかった。
やがて、オレンジ色の光が増し、その先に白い口が開いているのが見える。
それは、わたしにとっては何の変哲もないただの出口に違い無かった。
この時までは。

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